vicc blog

株式会社ヴィックの技術ブログです。

編集担当から#1 Jw-cadのあれこれなど

当ブログ編集担当のまかなえです。

今日から、編集担当がブログの記事や会社の仕事を改めて紹介したり、BIM界隈で話題のトピックについて書いてみる企画を、月1でやってみようと思います。

まずは今月上がった記事の紹介から。

今月の記事

2023-02-03 実プロジェクトでのGrasshopper反省会#1

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部材移動の処理はTransformとEntwineを使った方が読みやすいし書き直しやすくなるよね、というGH定義の書き方Tipsでした。こういうテクニックとコメントつけを駆使して、書いた一週間後にも意味が分かるGH定義書きを心がけたいですね。

 

2023-02-14 Navisworksでの干渉チェック結果をRevit上で見て、管理までしましょう

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バレンタインデーの雰囲気のかけらもない記事ですね。

規模の大きな物件だと、一度見つけた干渉やミスの直し忘れは(よくないけど)ありがちだと思います。3Dデータ上でのメモと、共同作業者との状態含めた共有は、ミスを減らすのにいい方法じゃないでしょうか。このやり方は他のCADでも応用が利くと思います。

2023-02-17 読書ブログ『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』

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ビジネス書のブックレビュー記事です。

BIM周りは、ともすれば「ほんとに役に立つんかいな」とか「無駄な仕事増やすだけであんまり意味ない」と言われます。そうなってしまう原因は、そもそも僕らも含め、みんな建設の仕事の全体像を把握できてないことにもあるような気がしています。

仕事の全体像を把握・分析して改善することの威力がこの本を読むとわかる…らしいので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。僕も読むのと、ブログへのAmazonアソシエイトのセットをがんばります。

2023-02-24 建築実務者なら知っておきたい幾何学のこと#2 「曲線の連続性」

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増田さんの人気シリーズです。前回の記事 は1000を超えるPVになりました。曲面や曲線は特に建築設計では扱わないことも多いので、色々知らないポイントも多いですよね。次回は曲面について書いてもらえるようなので、期待して待ちたいと思います。

 

今月のトピック…Jw-cad問題

今日Twitterを見たら、上のつぶやきが軽く話題になってました。反応を見てみると、共感の声や「無料だから…」というコメント、「描けてやりとりができれば何でもいい」というつぶやきなどさまざまでした。

個人的には元のつぶやきに共感してしまうんですがw、これは僕がJw-cadを使い慣れてなくて、周りでも使ってる人がほどんどいないという事情が大きいと思います。Jwユーザーやユーザーが周囲に多い人が見たら、モヤっとするのも仕方ないかなと。

ただその上で気になったのは、こんなコメント。

特に日本の建設業界では、工事前の事前検討に施工者自身が参加する習慣があります。ちょっと規模が大きい物件だと、ほとんどの施工者さんが施工図を描いて、確認を設計者にお願いしますし、他工種との調整も施工者がやりますよね。

大半のBIMソフトではこういう使い方が想定されていないんじゃないかと僕は思います。BIMソフトはだいたいアメリカ(Revit)やヨーロッパ(ArchiCAD)で作られていて、向こうの仕事のやり方に合ったものになっています。そして大半の国ではゼネコンは図面を描きませんし、施工者間の調整も設計者が行うようです(詳しくはこちらの記事の「DrawingXとは何か?」を読んでみてください)。

上以外にも「BIMが現場で使えれば…」とか「職人さんに渡すには情報過多」等のつぶやきがありましたが、これらはすべてBIMの「誤用」、現場とのBIMの使い方のすり合わせ不足から起きていると言えるのかもしれませんね。

ただこれをもって「日本の建設業にはBIMは不向き!」と言い切るのも違うなと感じます。上の記事にあったような施工前の干渉チェックなど、設計段階でやっておくことで効率が上がることは多いですし、そもそも情報をそれぞれに合わせて足したり減らしたりすることはBIMの得意分野(のはず)です。

大事なのは、まずBIMを誰が何のためにどう使うのか、現場との調整はどうするのか、話をすることじゃないでしょうか(これはザ・ゴールの記事ともつながるかも)。最近決まった社是が「テクノロジーと感性とコミュニケーションで建設の不可能を可能にする」(長いですね)なのですが、コミュニケーションこそがこのような問題を解くのに大事なんだろうと感じます。僕はあまりコミュニケーションがうまい方ではないのですが…。

 

ではまた来月!