みなさん、アマゾン(河ではなく巨大IT企業の方)は好きですか? わたしはそこそこ好きです。
いや、どちらかというと大きく力強くなりすぎたことに問題を感じつつ「すげーな」というのが正しいかもしれません。
最初の頃は珍しい書籍を取り寄せる本屋だった記憶がありますが、Kindleで本を読んだりAWSのようなプロダクトの方が今では有名かもしれません。 こういうプロダクトを生み出す底力に興味がわいてきます。
わいてきませんか?
興味がわいている方は「『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』という本をアマゾンの幹部が読んでいるらしい」という以上の価値ある情報はこのエントリにはないのでリンクから当該書籍を購入して読書を始めてください。
みなさんは時間を浪費せず、わたしはアフィリエイトで小遣いを得られるのでwin-winです。
(編注: まだamazonアソシエイトに登録できてないので、読者のみなさんだけのwinになります ごめんねいしはらさん)
以下、アマゾンの組織力に興味がない人向けです。
生産性の向上というのはさまざま分野で研究されており、そのための手法も様々なものが提案されています。 その一方で、生産性が高いってつまるところどういうことなのかという部分での理解は意外なほど難しいものです。
この記事を書くために『ザ・ゴール』を読み返していて改めて秀逸だなと思ったのが前半早々に出てくる空港での会話です。
高効率なロボットを導入したと語る主人公にジョナ(経営コンサルタントだと思ってください)が問いかけます。
「 訊きたいことがあるんだが、ここだけの話だ。ロボットを導入した部署で生産性が向上した結果、一日当たりの製品の出荷量は以前より一つでも増えたのかい」
エリヤフ ゴールドラット. ザ・ゴール (p.52). ダイヤモンド社. Kindle 版.
高効率なロボットを導入したら当然生産性は上がりそうですが、実はそうではないのです。
ロボットが効率化したのは生産プロセスのある工程一つだけで、工場の生産性ではなかったのです。
なぜそのようなことが起きるのでしょうか? TOC理論という生産管理のマネジメント理論がそれを説明してくれるのですが、華麗なる解説は本書に任せて結果だけ見ましょう。
個別の作業で努力することよりも、生産システムの全体像を分析して工程の組み換えを行う方が全体としての生産性の向上にはインパクトがある。
この本に出てくるキーワードはいくつかあります。
- ボトルネック
- スループット
- 在庫
- 業務費用
しかしつまるところ、部分的改善では全体最適に至ることはないのだということが重要です。
この理論は製造業を例として説明されていますが、一般化して生産性向上の理論として読むこともできます。 それゆえ、ジェフ・ベゾスはアマゾンの幹部に本書を勧めているという噂です。
(ちなみに、わたしたちviccでは建設のパラダイムを変え、全体最適化を目指す会社をビジョンに掲げています)
本書は非常に分厚いのですが、理論書でありながら小説の体裁をとるという奇態なものなので、厚さに臆せずぜひ読んでみてください。