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株式会社ヴィックの技術ブログです。

実プロジェクトでの Grasshopper 反省会 #3 _ 日常的に学びや課題を共有する KPT チャンネル & KPT 振り返り会

ヴィックの吉岡です。これまで反省会という枠組みで、 Transform/Entwine を使おうという記事や、 Fillet 等のディテール表現についての記事を書きました。

blog.vicc.jp

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これらの記事は、実際のプロジェクトが落ち着いたタイミングで大きな失敗に対して後から振り返って書いているものですが、今回の記事では番外編的な感じで、実際のプロジェクトの進行中に学びや課題をクイックに共有する KPT チャンネルと、それを棚卸する KPT 振り返り会について紹介しようと思います。

What’s KPT??

KPT とは、

  • Keep(続けること、良かったこと)
  • Problem(良くなかったこと、問題)
  • Try(改善のアイデア、次に試すこと)

の頭文字で、振り返りのための手法として広く知られています。

この手法の良いところは、起きた事象に対して良かったので継続しましょう!、改善策はわからないがとりあえず問題を共有!、改善のアイデアを思いつきました!というのを、カテゴリ分け有りで考えを共有することができることです。カテゴリを分けていることで、簡単に問題のステータスを把握できるのが良いことだと思います。

開発チームレンタルという事業を行っている株式会社 mofmof 様のブログにて詳しく紹介されているので、気になる人はこちらをご覧ください。

www.mof-mof.co.jp

KPT チャンネル

現在 vicc の社内では、テキストベースでのやりとりの Slackを中心に、必要に応じて Zoom のオンラインの打ち合わせ、Gather による雑談等が主なコミュニケーション手段となっています(最近は週2くらいの頻度で皆代わる代わる出社しています)。

その中で Slack の KPT チャンネルがなかなか良いでのは?というのを最近感じています。

まず、通常の業務を行うプロジェクト毎に設けられている #Project_Name のチャンネルで、進捗確認やデータの受け渡しなど基本的な業務連絡を行っています。これに加えて #Project_Name_kpt というチャンネルを同時並行で運用し、KPT のどれかにあてはまりそうなものは細かな事柄でもばんばんこちらに放り込む、というスタイルを試しています。

業務連絡と切り分けておくことで学びや課題だけが集約されていくので、あのときのあの学びがどこかに流れてしまった、、、というのが減らせたように思います。

KPT チャンネルの様子、メッセージの頭に [K][P][T] とつけています

KPT 振り返り会

随時投稿する KPT チャンネルに加えて、KPT チャンネルの棚卸作業として KPT 振り返り会を実施することも有用だと感じています。

期間が長く、参加人数が多かったプロジェクトでは、オンラインホワイトボードツールの Miro や、オフィスに集まって実際のホワイトボードと付箋を用いて KPT 振り返り会を定期的に行いました(週2-月1)。

Miro のキャプチャ

このプロジェクトでは、収まり検討から、曲面形状の正確なモデリング、そして単品図の作図までが主なスコープでしたが、ライノ等のソフトウェアのファンクションの仕様の理解であったり、社内での前工程での後回しが後工程が苦しくした失敗であったり、多岐にわたる学びがありました。前工程と後工程で別の担当者であると、それぞれの気づきや課題がそこで止まってしまうこともあると思いますが、Slack 上の KPT チャンネルへの投稿と、定期的に実施される KPT 振り返り会の実施によって、チーム全員に共有されていました。

プロジェクト後半になるにつれ、細かなタスクやファンクションのノウハウだけでなく、マネジメント手法や、ワークフローの整理、品質改善的なディスカッションも増え、正確にモデリングを請け負うだけでなく、建設プロジェクトの効率化に貢献するという姿に近づけたのでは、と思いました。

プロジェクト前半の初歩的なミス(すぐ改善すべきという意味で赤い星のマークを付けている)

プロジェクト後半に、直近の対応と継続検討(継続検討という意味で青い星のマークを付けている)

Miro と Zoom を用いることで、リモートワークで各人が別々の場所で働いているチームであってもリアルタイムで付箋を作成し並べ直すことが出来ました。片付けが必要な実際のホワイトボードとは異なり、Miro では振り返り会のデータをそのまま残しておいて簡単に見直せるのでその点も便利でした。

ちなみに、社内では KPT の振り返り会以外にも、 Miro のフローチャートツール を用いて、モデリング工程やシステムの処理の流れを整理するなど日々お世話になっています。

※ 少人数(例えば2人)のプロジェクトでは、毎日の進捗確認の際にあれこれ共有できるので KPT 振り返り会を改めて設けるとは不要という場合もあると思います。が、KPT チャンネルを設けてそこにいろいろ放り込んでいると、プロジェクトの最後にまとめて振り返ることもできるので、まずは KPT チャンネルを設けるのがオススメかと思います。

まとめ

今回は、KPT を用いた学びの蓄積について、特に KPT チャンネルの活用や振り返り会の実施に関してテキストを書いてみました。プロジェクト毎に固有のノウハウもありますが、ソフトの使い方や建材や加工の特性、搬入や施工方法まで、どんなプロジェクトでも必ず自分たちが知らなかったこと次々に出てくるので次のプロジェクトや他のチームのメンバーに共有していきたいと思っています。

(記事の執筆のために過去のプロジェクトの KPT チャンネルを改めて読み返してみると、いろいろと思い出してしんみりしてしまいますね。。。)

さて、Value の1つとして We are sharing and growing together. を掲げている vicc では、現在進行形のプロジェクトでの日々の学びをクイックに共有し組織の知恵として還元出来るようなエンジニアを募集しています。興味を持たれた方は下記よりお問い合わせください。

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終わり