前回の記事でAutoCADファイルをRhinoにインポートする方法について触れてから、早くも1年が経過しました。
この1年の間に、ファイル変換やチェックに関して様々な変更点や課題が見つかりました。また、Rhino自体もバージョン7から8へとアップグレードされています。こうした変化やスキルの向上を踏まえ、この記事をアップデートする時期が来たと思い、文章を更新します。
この記事は2つの部分に分かれています。
1つ目は、Rhino 8における新機能や変更点についての紹介です。Rhino 8では、ブロックの管理が向上しており、AutoCADのダイナミックブロックでさえもある程度扱えるようになりました。ただし、dwgファイルのインポートやオープン時に依然として問題が残る部分もあり、これはRhino 8の将来的なバージョンでの改善が期待されます。Rhino 8はまだSR10ですが、Rhino 7はすでにSR37に到達しているためです。
2つ目は、Rhino 7でのdwgファイルのインポートやオープンに関する実用的なヒントに引き続き焦点を当てています。
Rhino 8の新機能とは?
対応バージョン: Rhino 7、8 → AutoCAD 2018 DWG ファイル形式および以前の形式(変更なし)
Rhino8とAutoCAD間でオブジェクトをコピー、ペーストができます。(不安定)
Rhino 8でインポートできるオブジェクトの種類と条件:
注意事項: AutoCADの「Wipeout」オブジェクトはRhino 7および8のどちらでもインポート不可。
AutoCADファイル内に多くのダイナミックブロックがある場合
前回の記事では、すべてのオブジェクトをAutoCADで展開(explode)することを推奨しましたが、このプロセスでは注釈、テキスト、ハッチ属性が壊れる可能性がありました。 そのため、以下のようなより適切な手順を調査しました:
①Qselect: ブロック参照を選択
②Explode(展開)
③Overkill: 「ALL」ですべて選択、または「P」と入力して直前の選択を指定し、「Enter」。 (ここでは2つの選択肢があります。ALLを選ぶと、展開されたオブジェクトだけでなく、ファイル内のすべてのオブジェクトが選択されるため、計算時間が長くなる可能性があります。一方、Pを選ぶと、直前に展開されたオブジェクトだけが選択されます。AutoCADにはさまざまな選択肢がありますが、今回は「P(previous)」を紹介します。)
④Purge(不要オブジェクトの削除)
この手順を使用することで、他のオブジェクトの属性を保持しつつ、「Overkill」コマンドの実行速度を向上させることができます。
複数バージョンのファイルを受け取った場合:
同じファイル名で日付だけ異なる複数のバージョンのファイルを受け取ることがあります。このような場合、図面作成中の変更点がすべて正確に記録されていない可能性があります。このような懸念がある際には、AutoCADの「Compare」機能を使用して、3Dモデリングを進める前にファイル間の違いを確認することをお勧めします。「Compare」機能のメリットはファイルの違いを赤線とスプラインで表示し、違いところのオブジェクトのインポートとエクスポートをすることができます。
2Dの図面から3Dモデルになることはかなり複雑な作業です。正しい図面の読み方から正しいモデルが生まれます。 これらのポイントを押さえることで、AutoCAD(.dwg)からRhino(.3dm)へのファイル変換がよりスムーズになることを願っています。