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株式会社ヴィックの技術ブログです。

線画パースの描き方、教えます

ヴィックのビジュアリゼーションチーム有澤です。

これまでの記事の中でも時折登場してきましたが、私たちの表現のバリエーションのひとつとして線画+CGのハイブリッドパースがあります。 CGレンダリングとは異なり線画パースは抽象的な雰囲気を作り出せるので絵を見た時のイメージの幅を膨らませる効果があります。 また設計の核を強調して見せる事が出来るので坂茂建築設計をはじめ、他の設計事務所からよく求められます。

今回の記事では私たちがどのように考えながら線画パースを描いてるのかをお見せしたいと思います。

坂茂建築設計の軽井沢庁舎コンペ案の内観パースを参考に解説していきます。 私たちはPhotoshopと手描き(concept)両方を活用して線画を描いています。線画を描く前に3DSMAXのvraytoonという機能を使用して線画を抽出します。

vraytoonを使って書き出した線画がこちら↓

壁、床、柱、家具等…全てのエレメントの線画を抽出しなくてはいけないのでガラスを非表示にしてレンダリングをかけます。

vraytoonで出した線画見て思うかもしれません。 もうこのまま下絵に重ねてお終いでいいのでは…と。 ここで一度下絵に重ねてみます。

どうでしょうか。是非上の画像のスライダーをずらしてみて拡大して見てみてください。 大分印象が違うことが見て取れると思います。 (編注: スマホからだと上下に画像が表示されます)

右(or下)の絵は印象が機械的で固く見えるのではないでしょうか。レンダリングで抽出した線画は厚みが全て同じで、絵を見る人がどこを見るべきなのか分からなくさせる可能性があります。 一方左(or上)の絵は、photoshopと手描きで描いた線画です。手描きの空気感や建築のかたちの視認性を担保しつつ、消失点を意識させるように視線誘導を意識した調整をしています。 大分見やすくなっているのではないでしょうか。

線画を入れる時に大事なのは提案のコンセプトを理解する事です。 一番重要な要素は何なのか、次に重要なものは何か…など、パースにおける要素を整理して優先付けて考える事は線画を描く時だけではなく絵をまとめる時にも大切な考え方です(この内容はビジュアリゼーションチーム松谷隊長の記事で詳しく書いているので是非こちらの記事も)。 線を入れる時にも強調すべきところは力強く描き、ヒエラルキーを作っていきます。

今回紹介している軽井沢庁舎の内観パースでは、

  • 跳ね上がる大屋根と支える力強いストラクチャー

  • 奥に長いロビー空間(消失点への意識付け)

  • 十字方向に抜ける動線と付随するアクティビティ

がこのアングルにおいて強調したい要素です。 これらの要素の重要度を意識しながら線画の強弱を付けながら書いていきます(アングルを撮る段階で線画が構図内にどのように入ってくるかもを想定しながらしないといけません)。

また、上記以外の要素も細かく調整していきます。

  • サッシュや扉、手すり等は主要な要素ではないのではモデルで作らずに弱い線で表現する

  • 手前にある物の線は強く、奥にある線は弱くすることで遠近感を出す

  • vraytoonで抽出した無機質な線もphotoshopで手描き風に加工する事で細かなディテールを足す手助けになります。

要素を整理して仕上げたパースがこちら。

このように線画を微細にコントロールする事でパースを見る人の焦点を誘い、説得力を増したパースに仕上げることができます。 その他の線画+CGのハイブリッドパースの実例は我が社のHPのポートフォリオページに是非足を運んでみてください↓

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おわり。