vicc blog

株式会社ヴィックの技術ブログです。

インターンのための業務体験プログラムを作ってみました

初めに

viccでは通年で生産設計業務における学生アルバイトの募集をかけていました。 しかし普段の業務と並行する形では、体系的な学びの機会の提供やプロジェクトを俯瞰して仕事の流れをつかんでもらう事が難しい。ということが社内的な反省点としてありました。

そこで、他社で行われているサマーインターンのようなものを参考に、2週間(作業日計6日)程度の生産設計業務における教育・業務体験としてインターンという枠組みを試験的に作ってみました。

これで意思を持ったやる気ある学生が、よりやる気upしてくれるといいなと思います。応募の際は下記のメールアドレスに履歴書とポートフォリオを送ってください。

info@vicc.jp

インターンプログラムの概要

用意している業務体験プログラムは生産設計に用いるRhino/ghの運用方法やExcelデータ作成、3dモデルを基にした2d図面作成等です。 網羅的に業務内容をカバーするようにしていて、弊社の通常業務で実際に行った内容をデフォルメして単純化したものを行ってもらいます。 約二週間のプログラムを行う中で実際の業務のワークフローを体験し理解してもらおうというのが狙いです。

Rhino/ghの運用方法

ところで皆さんはRhino/ghを使うときにどのような運用をしているでしょうか? ghの教本やyoutube等の動画教材を漁ってみると、ほとんどが幾何学操作を施して複雑な形状を作るようなものが多いです。 もともとghを触る動機も複雑形状を作りたいという人が多い印象なので、教材としては市場のニーズに合っていると思います。 例えばこんなもの

画像1:パイプの天蓋付きコリドー

単管パイプで作れそうな天蓋付きコリドーを作ってみました。いかにもghという形ですね。このように簡単な操作で一見複雑なオブジェクトが作れるのは、設計等の初期検討においてはとても便利ですよね。 ここで行っているのは具体的に以下の処理です。

  • rhino上に任意のカーブを6本描画
  • rhino上のカーブをghにインポートする。
  • インポートしたカーブを分割して分割点を生成
  • 任意のカーブ同士の分割点を結んだ線分を生成
  • 線分をパイプに変換

一般的なgh幾何学操作の一例だと思います。やったことない作業はありましたか?

施工上の問題点

それでは先ほど作ったコリドーのディテールを確認して施工可能かどうか考えてみましょう。

画像2:コリドー天蓋部詳細

  1. まずパイプ同士が干渉して食い込んでしまっています。これでは施工できませんね。
  2. またパイプに厚みがなくストローのようになっています。内径なのか外径なのか分からず部材を調達できません。
  3. さらにパイプ同士を繋ぐ部材表現ができていません。どのように留めるのでしょうか?溶接でしょうか?
  4. パイプ同士を留める際に一般に使われるのはパイプクランプです。実際の施工を考えると3dモデルのデータにクランプの情報も入れてあげなければいけません。

他にも地面との接地方法等、考えなければいけない要素はたくさんあります。 このようにモデルで作れるものがすぐに現実に作れるわけではありません。少なくとも上記の問題を解決しなければこの天蓋付きコリドーは作れないでしょう。

viccでのRhino/gh運用方法

弊社が普段行っている業務では、上記の問題点を洗い出し、現実に施工可能な状態までモデルを作成したり要件整理したりします。このような場合、もう少し異なる方法でRhino/ghを運用することとなります。 例えば

  • 重複する同じ部材をブロックで管理して運用する。(クランプ等の情報付与)
  • Rhinoのworksession機能を用いて同時並行で異なる作業を行う。(パイプ再作成と干渉検査等)
  • RhinoのAttributes User Text機能をgh上で運用する。(モデル作成時の下準備)
  • 部材数量や部材項目整理のためのExcel作成。(施工管理)

等です。もちろん同じ機能をほかの用途で用いることも多々ありますが、これらの内やったことある作業はいくつあるでしょうか? もしやったことない、皆目見当がつかないというのであればぜひインターンへ来てください。言葉の意味が分からなくても問題ないです。 再度メールアドレスを添付しておきますので履歴書とポートフォリオを送付ください。

info@vicc.jp

具体的な作業はインターンに来てくれた時のお楽しみという事にして、それぞれの作業に関する記事をいくつか乗せる形で本記事を終わりたいと思います。今は読む気が起きなくても、インターン後に読めば理解できるリンクばかりだと思います。

技術リンク集

重複する同じ部材をブロックで管理して運用する。

公式ドキュメント docs.mcneel.com

アプリクラフトによるブロック機能の解説 www.applicraft.com

syntegrateによるブログ記事 blog.syntegrate.jp

rhinoのworksession機能を用いて同時並行で異なる作業を行う。

公式ドキュメント docs.mcneel.com

syntegrateによるブログ記事 blog.syntegrate.jp

rhinoのAttributes User Text機能をGH上で運用する。

公式ドキュメント docs.mcneel.com

社内ブログで取り上げられている記事 blog.vicc.jp

syntegrateによるブログ記事 blog.syntegrate.jp