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株式会社ヴィックの技術ブログです。

BIMプロジェクトインフォメーションプラクティショナー資格を取ってみました

先日、「BIMプロジェクトインフォメーションプラクティショナー」という資格を取ってみました。今回は、

  • この長い名前の資格はなんなのか?
  • どうしたら取れるのか?
  • 取ってみてどうだったか?

を書いてみようと思います。

※内容は2026年1月の時点でのものになっています。今後試験のやり方や内容が変更されることもあると思うので、随時最新の情報をチェックしてください

この資格はなに?取るにはどうしたらいい?

そもそも、ISO 19650という国際規格があります。これは、BIMを使って建設のプロジェクトを進めるときに、おおむねこういう枠組みややり方にそってやるべき、ということがまとまっているものです。

BIMプロジェクトインフォメーションプラクティショナー資格を持っていると、このISO 19650の定めに従って、BIMプロジェクトを進めていくことができる!という証明になる(と、資格の発行元のBSIさんはおっしゃっている)わけです。

よって資格取得のためには、ISO 19650の内容を学ばなくてはいけません。2026年1月現在、3つの研修を受講し、研修の内容がわかっているかどうかの試験に合格する必要があります。

詳しくはBSI(英国規格協会)さんのウェブサイトをご覧ください。

www.bsigroup.com

研修の受講

研修はすべてオンラインで受講可能でした。そのうち2つはZoomでウェブ会議をつないで講義を聞き、時たま参加者でディスカッションをするという形式でした。残り一つ(BIM ISO 19650 パート4)はビデオを視聴する形式です。

どんな人が受けてる?

僕が参加した際は、おおよそ10名ほどの方がいらっしゃいました。自己紹介の時間があったのですが、僕たちのようにBIMを扱う会社や専門工事会社、建築主側の企業や自分で設計事務所を運営する方など、いろいろな立場の方が参加されていました。

講義の受け方とディスカッション

講義はBSIさん作成のスライドをもとに進んていきました。講義中も各自のウェブカメラは原則オンにすることになっていました。これによってオンラインでも教室/会議室にいるような、ちょっと緊張感をもって受講することができました。

そして各章が終わるごとに、各4名ほどのグループに分かれてディスカッションを行いました。章の内容によって「BIMとはなんでしょうか?」とか、「あなたの組織のBIM成熟度は?」等の設問が用意されていて、それについてグループで議論し、最終的に意見をまとめて発表をしました。

一般的な講義だと、各自が答えを書き、講師が正解を発表しておしまい、というものが多いような気がします。しかしこの講義では、答えを書いた後のディスカッションがあることで、自分の理解が浅いところや回答のポイントに能動的に気づく機会になっていました。

またディスカッションで、「そもそも日本だとこのやり方なじまなくない?」とか、「実際の仕事だとこれ難しいよね」など、実務での適用に自然に意識が向くことも多かったです。あまり経験がなかったですが、いいスタイルだなと思いました。

研修後

講義とディスカッションに集中したおかげで、9:30 - 17:00の研修後は結構疲れていました。他業務の片手間にできる感じではないので、受講日は一日ちゃんと空けておいた方がいいです。

オンデマンドの研修(動画)

BIM ISO 19650 パート4の研修は、各自で動画を視聴して受講することになります。すべての動画を見終わると、自動的に研修が終了扱いになる仕組みです。

やはりウェブ会議形式の研修と比べて全く集中できませんでした。一度目は途中で寝てしまったので、すべての動画をもう一度見直す羽目になりました(全体で1時間程度の長さ)。

仕上げに試験

各研修の受講翌日にオンライン試験の案内が送られてきました。3つの研修それぞれに試験があるので、資格を取るには3回試験を受けなくてはいけません。制限時間は60分で、研修で使用した教材やその他資料を見ながら回答することができます。

そのため、迷ったらノートや資料を見つつ、研修内容を思い出しつつ答えていきました。いくつか回答に迷うところもあり、3-40分は回答にかかりました。

合否は試験終了の瞬間にわかります。70%以上のスコアを取れば合格ですが、僕は無事3回の試験すべてで合格することができました。

その後資格の申請を出し、晴れて「BIMプロジェクトインフォメーションプラクティショナー」になることができました!

内容についての感想

よかったこと

まず、ISO 19650の枠組みと内容を網羅的に知れたのはよかったです。

BIMマネジメントの業務では必然的にAutodesk Construction CloudやBIM360などのCDEを使うことになりますが、これらの使われ方を規定する考え方を知ることができ、より納得感をもってCDEを使うことができるようになりました。

また、業務で海外施主のプロジェクトを補助することがありますが、そのあるべき全体像を把握しつつ仕事できるようになりました。学んだことを実地で体験・吸収できている感覚があります。

疑問点…日本では「BIMプロジェクトの進行能力の証明」になるのか

一方で、このようなメリットを感じられているのは、Viccが海外建築主のプロジェクトサポートを行っているからでは?という疑問もあります。

日本国内のプロジェクトだと、ISOで定められたようなやり方がスタンダードになっているとは言えません。BIM利用を謳っているプロジェクトでも一部工程でのソフトウェアの利用にとどまっていることが多く、CDEを使ってプロジェクトのチェックや承認を行う、というケースも非常に少ないのでは。そもそもプロジェクトの進め方や各担当の責任者も明示的に定義されていることが少ないと感じます。

そのため日本では、 ISO 19650を学んだとしても使う機会がない、周りが誰もその枠組みで仕事してないから…」という状態になる可能性が高いでしょうし、それだとBIMを利用したプロジェクトの進行能力があるとはいえない、あると言えるところまで能力が育たないのでは?と思えます。建設プロジェクトの進行そのものに経験が求められるのと同様、BIMを利用したプロジェクト進行にも実地での試行錯誤や経験は不可欠でしょう。

まとめ

単純に外国のBIM導入のマネをすべき、と僕は思いませんが、個人的にCDEを含めたプロセスとしてのBIMを使うことでプロジェクトをいい感じに進められそう、という感覚を覚えていることは確かです。

そのためには資格取得者がBIMを使ったプロジェクトを主導したり、企業でBIM導入を進めたりして「プラクティショナー」になるのが大事なんだろうと思いました。

「BIMインフォメーションプラクティショナー」をイメージする画像を、2-3年前のAIの感じで描いて!と頼んで出てきた画像。こんなんでしたっけね